日本は大学受験まではレベルが高いが、それ以降は急激にレベルが下がると言われます。
では、なぜ社会人になると急激にレベルが下がるのでしょうか。
その理由は、次の2つです。
- 自由になった途端、自分で決めることを放棄するから
- 自分で今何をすべきか、考えることを放棄するから
高校・大学までは、偏差値の高い大学に入学するために大学受験という同じルールの枠組みで競い合っていました。
しかし、社会人になると人によって競争のルールが変わるため、自分で目標を決めないと行動できる人が少なくなってしまいました。

この事実からも分かる通り、今の時代は『自分で目標を立てて、自分で行動して、目標にを達成できる人材』が重宝されます。
逆に、自分で目標を立てて行動できない人は『会社や上司に人生やキャリアの主導権を握られて身動きが取れない人材』になってしまいます。
未だに個人のキャリアは会社が保証してくれると信じ込んでいる人は、会社に人生の主導権を握られている状態です。
では、会社から個人に人生・キャリアの主導権を奪い返すためには何をすればいいのでしょうか。
その答えが「キャリア設計」をすることです。
本記事では、
- キャリアプランを作るための5つステップ
- 精度の高いキャリアプランにするためのポイント
を具体的な事例をもとに解説します。
5つのステップを最後までやることで、『将来あなたが向かう方向』と『今あなたが何に時間を費やすべきか』の2つが見えてきます。
大半の人は目の前の仕事に忙殺されてキャリアプランを作れず、年々将来への不安が大きくなっていきます。
将来への不安は、ゴールを設定して日々ゴールに近づいている感覚を持つことでしか解消できません。
だいぶ長文の記事になっているので大変だと思いますが、仕事終わりや土日の1〜2時間を使ってぜひキャリア設計をしてみてください。
1日に1ステップずつ消化していく形でもOKです。

本記事の内容
【準備】キャリア設計の全体像について
まずは、これからやっていくキャリア設計の全体像を把握しましょう。
今回のキャリア設計は次の流れで進めていきます。
また、各ステップはそれぞれ次のようなイメージで進めていきます。
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1理想のキャリアをイメージする (ゴール設定)
まずは、
- 将来どんな働き方をしていたいか
- どんな生活をしていたいか
をイメージすることが必要です。(ここが一番重要)
ゴールが設定されていないとこれからあなたが何をすべきか決めることができないからです。
将来何をしたいか分からないという人でもできるようにゴール設定のポイントもご紹介しています。
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2今の市場価値を把握する (現在地の確認)
次に、今のあなたの市場価値を把握します。
市場価値を把握することで、理想のキャリア(ゴール)とのギャップを知ることができます。
将来欲しい年収と今のあなたの市場価値とのギャップを把握することで、このあとあなたが何をする必要があるのか大きく変わっていきます。
市場価値の計測方法もご紹介します。
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3キャリアのプロと相談する (レビュー)
その次に、キャリアのプロに相談をして、あなたの認識と客観的な認識のギャップを無くします。
この段階では、可能な限りあなたのことを知らない第三者に相談することをオススメします。(理由も解説)
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4キャリア実現のためのマイルストーンを置く(戦略立案)
次に理想のキャリアを実現するために今やるべきことを決めていきます。
ステップ1〜3までやって初めて、今からあなたがやるべきことが決定します。
行動しなきゃ!と焦る気持ちは分かりますが、前のステップを飛ばして行動してしまうと結果的に遠回りになるので注意が必要です。
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5市場価値を高めるための行動をする(行動・自己投資)
最後に、今からあなたがやるべきことが決まったので、あとはやるだけです。
市場価値を高める行動をしつつ、定期的(3ヶ月に1回を推奨)にステップ2からやり直すようにしましょう。
このサイクルを定期的に回していくことで、
理想のキャリアと今やっていることのずれが小さくなり、ゴールに近づいている感覚を持てるようになります。

将来への不安は、向かうべきゴールを決めて、進んでいることを実感できるまで一生消えません。
本記事で紹介しているキャリア設計は、あなたがが人生で向かうべきゴールを設定することです。
まずは、ゴールを設定するというスタートラインに立てるように一緒にやっていきましょう。
【手順】20代のうちにやるべきキャリア設計の5ステップ
まずは「キャリア設計 = 難しい・面倒」という思い込みを取っ払いましょう。
実は、キャリア設計の流れは大学受験の流れとほぼ同じです。
大学受験の流れは次のとおりです。
- 行きたい大学を決める
- 模試で今の偏差値を確認する
- 進路科の先生・講師と相談をする
- 偏差値のギャップを埋めるプランを立てる
- 自分に今必要な勉強をする
キャリア設計も大学入試同じ流れで進めていきます。
上記の大学受験の流れをキャリア設計に当て込むと下記の通りになります。
- 行きたい大学を決める
→ 理想のキャリアをイメージする - 模試で今の偏差値を確認する
→ 今の市場価値を把握する - 進路科の先生・講師と相談をする
→ キャリアのプロと相談する - 偏差値のギャップを埋めるプランを立てる
→ 実現のためのマイルストーンを置く - 自分に今必要な勉強をする
→ 市場価値を高めるための行動をする
「キャリア設計 = 難しい」と思われがちですが、やっていることは大学受験と同じで、大半の人が過去に経験済みです。
わからないことがあれば、大学入試の経験を思い出してみるとイメージしてみましょう。
(「大学入試で失敗した…」という人は、残念ながら結果を出すための手順が間違っていた可能性が高いので、紹介する手順を完コピで真似てみることを強く推奨します)
ステップ1:理想のキャリアをイメージする (ゴール設定)
まずは『理想のキャリアをイメージする (ゴール設定)』をしましょう。
大学入試で言うと「志望校を決める」ステップに該当します。
当然ですがあなたがどんなキャリアを歩みたいのかは、あなたが決めるしかありません。
- 理想のキャリアと言われても…
- 将来何をしたいか分からない…
と思ってる人もいると思いますが、直感的にこうしたい!と思えること・漠然とイメージでOKです。
今ふと考えて直感的に直感的にこうしたい・こうなりたいと思えることは全て正解です。
最終的なゴールが決まっていない状態では、今あなたが何をすべきか決まりません。
大学受験するのか、就職するのかで、やるべきことや対策が変わります。
例えば、私の場合は、23歳の頃に下記のようなゴールを設定しています。
- 年収1000万円でオファーをもらえる人材になりたい
- バイネームでスカウトされるためのスキルや実績を身につけたい
- なる早で稼ぎきって、家族と海外でのんびり暮らしたい
その目標を達成するために、当時私は次のことを行いました。
- 年収1000万円の人の経歴・キャリアを調べる。
- どの会社で働くのが目的達成に一番近いのか調べる。
- どんなスキル・実績を積めばその会社の希望のポジションに入れるのか調べる。
- ターゲットとなるスキル・実績を得るための行動・自己投資を行う。

また「将来変わるかもしれない…」という考慮は不要です。
年齢やライフステージによってゴールは変わるのが当然だからです。
ゴールが変わったと思った時にはもう一度同じ手順で設定し直せは問題ありません。
『理想のキャリアをイメージする (ゴール設定)』で重要なことをまとめると次の通りです。
- 直感的にこうしたいと思えるものをイメージする!
- 数ヶ月後・将来的にゴールが変わってもOK!
- 他人は関係なく、自分勝手なゴールでOK!
このステップで最終的なゴールが決まった方は次の「今の市場価値を把握する (現在地の確認)」をみていきましょう。
ステップ2:今の市場価値を把握する (現在地の確認)
次に『今の市場価値を把握する (現在地の確認)』をみていきましょう。
大学入試で言うと「模試を受けて偏差値を確認する」ステップに該当します。
今の市場価値を把握することで、今あなたがどのような位置に立っているのか相対的に判断することができます。
あなたの現在地を把握することで、理想のキャリア実現とのギャップを把握することができ、今あなたがやるべきことが初めて見えてきます。
市場価値の測定方法は簡単で、スマホがあれば1時間ほどで終わります。
(お金がかかるものもありますが)今回は完全無料・短時間でできる4つのサービスをご紹介します。
市場価値を把握する際は、下記の2点を確認しましょう。
- 3年後に欲しい年収とのギャップ
- 今の年収とのギャップ
みなさんはそれぞれどれくらいのギャップ(差額)がありましたか?
プラスギャップ or マイナスギャップによって次の”事実”を把握することができます。
プラスギャップの場合:
- 今の会社で働いている実績が評価されている事実
- 今努力している方向性が正しいという事実
→ 急ぐ必要はないですが、今の会社よりも高く評価してくれる会社があるという事実が分かるので、1~3年以内に転職を検討してもいいでしょう。
マイナスギャップ・同額の場合:
- 今の会社で働いている実績が評価されていない事実
- 資格の勉強や自己投資の方向性が間違っている可能性が高い事実
→このまま何も変えなければ、将来転職をする際に年収ダウンを飲み込まなければいけない可能性が高いです。
「将来100%絶対に転職しない」と思ってる人は問題ないですが、1%でも転職する可能性がある場合は、今から何かを変えなければいけません。
プラスギャップの方は、このままのペースでスキルと実績を積み上げていけばOKです。

一方で、マイナスギャップ・同額の場合は、現状のままでは将来年収ダウンの転職を迫られる可能性が大です。
特にマイナスギャップ・同額だった方は、今の行動や方向性を変える必要があるので、次のステップで修正をしていきましょう。
ステップ3:キャリアのプロと相談する (レビュー)
ステップ2まで、あなたの市場価値(現在地)を把握することができました。
ステップ3からはあなた一人で考えるのではなく、第三者の視点からレビュー・アドバイスをもらうステップになります。
大学入試で言うと「進路科の先生・講師と相談をする」ステップに該当します。
このステップでは、私の経験上「ポジウィルキャリア」と「マジキャリ」と「ニューキャリア」いずれかの無料オンライン相談を使ってキャリアのプロと相談することを推奨しています。(どれか1つでOK!)
「会社の上司や大学の上司に相談するのはダメなの?」と思う人もいるかと思いますが推奨していません。
あなたの人間性や価値観を知っている人からのレビューを推奨しない理由は次の2つです。
- 無意識のうちにバイアスが含まれたアドバイスをしてしまうから
- キャリア設計の方法や重要性を理解していない可能性があるから
あなたのことを知っている人からのアドバイスは「あいつは〇〇が”得意そう”だから、△△とアドバイスしよう」というような無意識な偏見を含んだものになりがちです。
また、相談相手が正しいキャリア設計の方法や重要性を理解していない可能性もあります。
キャリアの相談は、キャリアのプロに相談するのがベストです。
ご紹介している3つのサービスは、お試しでキャリアのプロと45分間オンラインで無料相談ができます。
そもそもキャリアのプロと無料で相談できるチャンス自体が少ないので、正直使い倒さないことが損です。

参考までに、私は次のようなことを相談しました。
- 将来〇〇なキャリアを歩みたいが、同じようなキャリアパスの人はいますか?
- 今の会社で△△で困っているのですが、他の人はどう解決していますか?
- □□のスキルを身につけようと思ってますが、市場価値に影響すると思いますか?
全て完全無料で試すことができるので、じっくりレビューをもらいたい人は3つ全て試してみることを推奨します。
私が3つの無料相談を試した経験上、「ポジウィルキャリア」のカウンセラーの方が一番親身に相談に乗ってくれたのでおすすめです。
ステップ4:キャリア実現のためのマイルストーンを置く(戦略立案)
次に『キャリア実現のためのマイルストーンを置く(戦略立案)』を行います。
大学入試で言うと「偏差値のギャップを埋めるプランを立てる」ステップに該当します。
ステップ2で把握した『マイナスギャップをどう埋めていくのか計画を立てる』段階です。
おすすめは、Linkedinであなたの理想のキャリアに一致しているロールモデルを探す方法です。
Linkedinを確認すると次のような情報を確認することができます。
- 職務経歴書
- 経歴・在籍年数
- 職種
- ポジション
- 取得資格
これらの情報を確認することで、ロールモデルに近づくために
- これからどんなスキルを身につけるか
- 今の会社でどんな実績を積むべきか
- 次はどんな会社に転職すればいいのか
を知ることができます。
あなたの市場価値を高めて理想のキャリアに近づくために今やるべきことが見えてきたら、あとはそれを実行するだけです。
ステップ5:市場価値を高めるための行動をする(行動・自己投資)
最後に『市場価値を高めるための行動をする(行動・自己投資)』を行います。
大学入試で言うと「今の自分に必要な勉強をする」ステップに該当します。
先ほども述べた通り、このまで来たらあとは行動するだけです。
逆にいうと、市場価値向上に直結するという確証が取れるまでは行動しない方がいいです。
「仕事終わりや土日に時間を使って勉強したけど全く効果がなかった…」という残念な状況に陥らないようにするためです。

また気をつけるべきポイントは、市場価値向上に繋がる行動なのかどうかを気をつける点です。
その自己投資で〇〇を身につけられて、△△の実績を作れるので、□□万円の市場価値が見込める
という粒度まで落とし込めることが重要です。
「社会人 おすすめ 資格」などでググってヒットした資格の勉強をするのは、あなたのとって何も価値をもたらさない可能性があるので注意しましょう。

【まとめ】将来の不安を解消するために20代でキャリア設計をしよう
ここまでたどり着いた方は、本当にお疲れ様です!
キャリア設計をしたことで、あなたの人生の方向性がようやく決まりました。
あとは、3ヶ月に1回の頻度で『目標に変更はないか』『目標に近づいているのか』を振り返りつつ、実際に行動していくのみです。
定期的に市場価値を確認しながら、行動・自己投資をすることで、確実に目標に近づいている感覚が生まれてきます。
この記事で将来のキャリア設計をしたということは、周りを見ても間違いなく数歩先に行っているので自信を持ちましょう。
この記事でキャリア設計をしたあなたの将来のキャリアが輝かしいものになることを祈っています。